善悪の基準をぶっ壊す!! …なんちゃって。 ―中島哲也監督『告白』

ワールドカップに夢中になりすぎて、ブログの更新疎かにしてしまいました。しまった!という感じですね。まあ今日からチョクチョク更新していきます。


そうそう、先日、中島哲也監督の『告白』(2010年)見てきました。巷で大ブームで、もはや社会現象と化しているとまで言われている映画です。なんでも10代、20代の口コミで人気に火がついたとか。

原作は湊かなえさんによる短編小説で、2008年には本屋大賞に選出されています。そして映画版の監督は『下妻物語』(2004年)、『嫌われ松子の一生』(2006年)、『パコと魔法の絵本』(2008年)などの作品でお馴染みの中島哲也さん。上の3作品は全て私のお気に入りですので、『告白』も絶対面白いだろう、と非常に期待してました。

で見た結果どうだったかと言うと…、期待通りというか期待以上に面白かったです!!
そこで今回は、『告白』のどの点が良かったのかということについて、まだロードショー中なのでなるべくあらすじに触れないように気をつけつつも、2点述べたいと思います。浅い感想ですので悪しからず。



・善悪の基準の脱構築と問題提起
既存の善悪の基準(赦し=善/復讐=悪)を一回ガラガラポンしてから、最後には「で、君は結局どう思う?」というように、問題を考えるきっかけを観客に投げかけている点が、とてもよかった。
本作品は、基本的に、中学生という思春期の難しい年頃の若者の問題を扱っています。しかし、根底に流れる「復讐」というテーマは、特定の年代に還元されない普遍的なものです。『告白』は、そういうある種の普遍的なテーマについて考えるきっかけを与えてくれる作品としても、楽しむことができました。


・作品世界にグイグイ引き込む迫力満点なストーリー構成
見る者をどんどん引き込んでいく構成にも魅了されました。
おそらく、極端化したキャラ設定や場面設定や、語り手=「告白」の担い手の小気味の良い交代、そして語り手=「告白」の主体が複数あることによって与えられる複数の視点などが、私をグイグイ物語へと引っ張っていく要因となったのだろう、と思います。
そして主に10代と20代にウケている理由も、ここにあるのだと思います。



ともかく見終わった後は、「いやぁ、すごい!」「面白い!」と嘆息をつくばかりでした。
DVDで発売されたら、もう1度じっくり見て、もう少し込み入った感想を書きたいと思います。


告白」はすごい!